平成11年に「房総石造文化財研究会」が「房総の石仏百選」を刊行しました。それに惹かれて筆者はこの研究会に入会したのですが、その後平成22年に「続房総の石仏百選」も刊行されました。併せて二百(選)仏になるわけですが、すこし軽め(エッセイ風)に「房総の二百仏」の現況を残しておこうと思います。震災の影響が残っているものもありますし、その後移転している石仏もあるので現況フォローの意味合いですね。
尚、表題項目に番号を付けておりますが1~100番は「房総の石仏百選」の付番で、101~200番は「続房総の石仏百選」の1~100番と読み替えてください。
141-1 千葉県最古の青面金剛(房総の石仏百選No.61)
所在地は野田市関宿台町の下町会館の隣が不動堂です。お堂前左手に7基の石仏が祀られています。
左から2基目は十五夜塔阿弥陀如来、隣が寛文三年青面金剛塔、右奥は貞享年代の阿弥陀塔 |
寛文三年青面金剛塔、右は延宝五年ショケラ持青面金剛塔 |
ちょっと珍しい延宝五年(1677)十五夜塔阿弥陀如来 |
平成21年に日本石仏協会主催第83回石仏見学会で「野田市・関宿城下の石仏」めぐりが行われました。その資料では「川底から引き揚げられた不動明王を本尊とする不動堂」と記されていますが、現在は無住のお堂がひっそりと建っているだけです。
見学会の資料から面白そうな石仏を記しておきます。
141-2 大竜寺の名号塔
お堂の道路向いが、浄土宗大竜寺です。幡随意上人によって天正六年(1578)に開かれたとか。幡随意上人に関してはWikipediaをご覧ください。
富士講小谷三志や徳本上人 らも宿泊した有力なお寺です。境内に、徳本上人の特徴ある名号塔が置かれています。詳しくは日本石仏事典P122に徳本念仏塔として解説があります。
徳本上人の丸に十の字の花押が見えます |
裏面は利剣名号が彫られています |
隣に 祐天上人の名号塔もあります。祐天上人に関しては祐天寺HP関係で閲覧できますが、増上寺住職で、町民や大奥にも行き仏とあがめられた名僧だったようです。
裏面の「南無阿弥陀仏」は鏡面陽刻 |
関宿地区は他にも、 光岳寺の金銅仏・台町薬師堂の丸彫り虚空蔵菩薩・昌福寺の随求陀羅尼塔などがあって、ちょっとした石仏タウンですね。
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