今回は県内の像形道祖神を一挙公開してみました。付録として酒々井町全9基の双体道祖神めぐりも付記しました。(房石研・石仏データに依拠)
150-1 夷隅・清水寺の道祖神(房総の石仏 No.79)
清水寺は坂東33観音中32番の札所霊場です。本尊十一面観音は千葉県の 指定有形文化財です。そっと拝んでみましょう。
宝冠に化佛を載せていますね |
左に閻魔像の閻魔堂、中央が西国坂東秩父百体観音写本尊堂、右堂内に赤穂義士木像 |
さて、肝心の道祖神ですが参道坂道の途中にある<道祖神>と書かれたお堂の中におられます。房総石造文化財研究会のH副会長が解説されたように宝髷のような髪型・右手が杓状物、左手が宝珠持ちの珍しい石佛です。
筆者も道祖神本体像は初見ですね。
150-2 富山町の双体道祖神(房総の石仏No.81)
池貝家敷地内に祀られている双体道祖神です。南房総市の指定文化財の表示が同家入り口に掲示されています。お断りして拝観させて頂きます。
台石に道祖神の刻字、御幣持ち猿田彦(天狗)と鈴持ち天鈿女命(おかめ) |
150-3 酒々井町の双体道祖神(房総の石仏No.80ほか)
信州上州の双体道祖神は、肩組手にぎり形・合掌形・酒器持ち形が広く知られていますが、酒々井周辺の双体道祖神は男女が寄り添うような形態で杖状のものを持つのが一般的です。石仏データから9基が抽出されたので回ってみましょう。
①尾上の双体道祖神
住吉神社の前にあるお堂内に祀られている門倉家の氏神です。
宝暦五年(1755)。日暮れてしまい照度不足のため、画像補正をしています。 |
菊理媛命は古事記に登場する女神です。白山神社のご本尊のようですね。
参道上り口脇の斜面に、小さな道祖神石祠と共に祀られています。
杖もちのようですね。紀年不明。 |
寛文十一年(1671) |
雨避けの下で石碑残欠と共に祀られています。お花も飾られて大切にされているようですね。
この樹の裏に、正徳五年(1715)の六肘合掌青面金剛と明治28年自然石形二十三夜塔が祀られていました。
④ 柏木七社神社の双体道祖神2基
柏木神社の脇をとおる道路沿い入り口に並んで祀られています。
上の写真は享和二年(1802)の道祖神で、もう1基は昭和8年の建立です。
神社境内には、寛政三年の社日塔が祀られています。
⑤中川・水神社の双体道祖神
住宅と水路と畑地で囲まれた分かりにくい神社です。
神社の社の傍に、分不相応なくらい立派なお堂に祀られていました。
⑥京成深堀踏切際の双体道祖神(房総の石仏No.80)
酒々井の双体道祖神を代表する像塔としてよく紹介されます。
下の写真のように、庚申塔や子安塔・二十三夜塔などと共に鳥居の奥にあるお堂に双体道祖神が祀られています。
写真は左から昭和44年石祠・明治24年廿三夜塔が並び、隣はお堂内の様子です。安永五年と宝暦二年の子安塔、元治元年の庚申塔が祀られています。手前の地蔵は紀年不明です。
⑦元佐倉吉祥寺近傍の双体道祖神
吉祥寺の北東300mの三叉路路傍に石佛がまとめて祀ってあります。
左の雨避けに双体道祖神、右は庚申塔など |
左から明和四年馬頭観音・寛保元年延命地蔵・元文四年延命地蔵・享保十二年合掌青面金剛・安政三年廿三夜塔 |
門松のあるお正月画像ですね |
地名表記が難しく、地図にもマッピングし辛い場所にあります。紀年不明ですが、像容が優れている道祖神で人気があるようです。
本佐倉城跡は国指定史跡で整備中ですが、リンク地図の「東光寺ビョウ」「マムシに注意」の道標から約100m進んだ山中の雑木に注連縄が張られその奥に祀られています。
より大きな地図で 150 房総の石佛 道祖神(付録:酒々井の双体道祖神) を表示
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