2011/10/08

120 北総石仏 柏の石仏 旧柏地区

常磐線柏駅東口を出て駅前大通を200m程南東方向へ進みます。2つ目の信号を右折すると柏神社が見えてきます。駅前の市街地が柏地区となります。
120-1 柏の羽黒神社(柏神社の表示)
「神社明細帳」にいわく「古老ノ伝言ヲ聞クニ正徳四年創立開闢」と記された神社です。
この日は夏祭りの支度で賑わっていました
境内には持ち寄られたと見られる石仏があちこちに目に付きました。鳥居左手の玉垣(または瑞垣=ミズガキ)沿いに9基の石仏が並んでいます。
左から文政二年(1819)成田山標柱、宝永四年(1707)二手青面金剛塔、享保十六年(1731)「奉納牛頭天王石灯籠」、紀年不明庚申塔?、天保十三年(1842)庚申塔?、文政十一?年・安政三年・安政三年(1856)・天保九年(1838)青面金剛文字塔となっています。
左から2基目が二手青面金剛・右隣が奉納牛頭天王石灯籠
 特に宝永四年・合掌型二手青面金剛塔は、昭和30年代に提起された清水長輝・横田甲一氏の二手青面金剛の系譜研究取り上げられた特徴ある興味深いものです。
「奉納牛頭天王」については境内社に合祀された様子がないのでちょっと分かりませんね。それでもWikipediaでお勉強はしておきましょう。 更に玉垣沿いに大きな大正13年伊勢神宮参拝碑などが立っています。本殿横に回りこむと合祀された神々の石祠が長屋風に並んでいます。
左から文化元年(1804)山神宮・寛政十一年(1799)荒工大権現・同年大塚大権現・明治36年天形星神社・明治32年太神社(表示は天神)となっています。
荒工・大塚大権現もちょっと分からないので宿題としておきましょう。天形星神社も不明ですが、Wikipediaに「牛頭天王は陰陽道で天刑星と同一視された」との記述があるのも確認しておきましょう。
他には明治41年道祖神、明治35年白山神社、昭和21年羽黒神社石碑も並んでいます。
最後に鳥居から退出する際の左手に、平成21年改修の真新しい待道大神宮が祀られているのも興味深いですね。
最後に「水戸街道の木戸」解説板があるので、往時の様子を偲んでおきましょう。
120-2 柏の長全寺
羽黒神社(表示は柏神社)前の道路を250m北西へ進み、2つ目の信号を右折すれば曹洞宗長全寺があります。広い境内に近代的な山門・本堂・信徒会館などが整備されています。
 山門裏に四天王が祀られているのを見ることができます。四天王といえば東大寺戒壇堂の四天王立像が有名ですが、こちらの四天王もそのコピーといえるくらい似ていますね。
左:槍持ちの増長天と右:巻物持ちの広目天

剣持ちの持国天と香炉持ちの多聞天
広い境内に 下の写真のごとく弘法大師堂・大師堂・大日堂・不動堂が並んで建っています。
 
大日堂には明和二年(1765)大日如来石祠が祀られています。不動堂の火炎後背不動明王は紀年不明。実は石仏がありそうでなかなか見つからないという感じですが、無縁仏を祀った一画に馬頭観音が混じっていたりします。
寛政十二年(1800)馬頭観世音
左端:明治29年弘法大師供養塔・手前自然石:明治44年百観音・手前右端:大正12年文字馬頭観世音塔
 120-3 柏の諏訪神社
長全寺の北方300m、柏市立図書館そばに諏訪神社があります。「古老伝聞ニ寛永三年創立開闢」と伝わるお社です。
本殿左の塀際に小さく見えているのが、天保三年(1832)百庚申塔です。
鳥居をくぐれば左に、 立派な明治32年の自然石型八幡宮石塔・阿夫利神社石塔と三峯神社がそろい踏みのように並んでいます。その脇の塀際に下の写真のように石仏が並んでいます。
右端は延享四年道祖神・中央は享保十四年合掌六臂青面金剛
左に続くのは天明二年(1782)文字青面金剛塔や文政六年(1823)文字庚申塔などです。奥に進むと塀際に整然と70基の百庚申塔が並んでいます。更に社殿奥には28基ほどの百庚申塔が認められました。
百庚申は10基毎に青面金剛像塔が並びます。
くりくり目のショケラ持青面金剛さまです
社殿背後には合祀された諸神様が長屋風に鎮座されています。
右から大神宮・白山社・八幡宮・山王社・雷神社・疱瘡大神・道祖神となっているようです。
他にも鳥居のすぐ左に文化四年(1807)「准四国讃岐」金比羅大権現石塔・文政元年(1818)鹿嶋大神宮石塔も立派で見応えあるものですね。
隣には結構古い元禄十二年(1699)三猿庚申塔も見ることができます。鳥居右脇は嘉永六年(1853)待道大権現社も祀られています。
諏訪神社は小さいながらもちょっとした石仏ワールドとなっています。


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