17-1.東光院の六面地蔵石幢
階段を上がれば左にこの六面石幢、右手に光明真言塔が現れます。六面石幢は寺院などにある六地蔵を一石で代用できるので時折見かけますが、市内では結縁寺の2基と此処だけの貴重なものです。享保15年(1730)の彫のしっかりした優品です。角度を変えて2枚サービスしましょう。右手の光明真言塔も重量感ある立派なものです。この真言塔の並びに12基ほどの庚申塔が文字・刻像が交じってならんでいま。傷みが激しいようですが、そのうち写真の青面金剛塔は足の踏み方が見得を切っているようで面白いものです。そして向かい合う様に道路を背にして馬頭観音塔がやはり文字刻像交じりに17基ほどあります。並んで慶応二年(1866)水死亡霊塔というものもありました???本堂に向かって左手の一段高いところに地区内の石仏群があるので観仏すると勉強になりました。例えばこれは寛政九年(1797)三山塔ですが胎蔵界大日如来を刻んだものと思われ大変貴重なものです。そして印相は逆智拳印だし私にはビックリものですが、テキストに言及がないのは何故?下の写真のように三山が下に落ち着いたシンプルな嘉永五年(1852)三山塔もあります。だけど三山登拝に四国西国坂東秩父巡礼までもりこんだ大正11年塔の凄いのもあります。そして江戸期は湯殿山が中心ですが明治期以降は月山を中心に刻むという日本石仏事典の解説にうなずいたりしています。17-2.戸神青年館の十九夜塔
戸神集落の高台の中腹にあります。急坂で車では無理な狭い土地に無縁仏などが回りに置かれています。建物の奥、高台の塀際に小屋掛して3基の石仏が置かれています。テキストの寛文十二年の石仏かと思いきや年代の新しい若くて見栄えのいい仏様たちでした。豊満な子安観音で左から嘉永七年(1854)、明治19年、明治44年造立でした。小屋の外左に日記念仏の寛延四年(1851)地藏がぽつんと隠れるように佇んでおられますが、こちらのほうが資料的には貴重なんですが、今に生きている信仰にはかないません。ところで寛文十二年(1672)十九夜塔は道路際入口に、重石を載せられたように置かれていました。お仕置きでもあるまいに楽にさせてあげたかったけれど、わが身が椎間板ヘルニアでは無理な考えなのでよく拝んで置くことで勘弁してもらいました。17-3.戸神宗像神社の庚申塔群
戸神青年館からは階段を上り左の畑方向へあぜ道を拾うように行くと3分ほどで宗像神社に着きます。写真で分かるように左側に26基の石仏石塔が並んでいます。平成16年に整備したばかりのようで他の建造物は新品ばかりで新旧の対象が印象的でしたが、きちんと保存されているので地元の方の神社にかける信念がゆるぎないことに感謝したくなります。見ていて飽きないのですが、いくつか紹介しましょう。文政六年(1823)の朱入青面金剛尊ですが三猿が彫り窪めれていて立体的、実物はリアルですよ。左は堂々とした明治20年文字朱入庚申塔です。真中は大正八年の庚申道標で下の写真のように「左 泉新田 木下 方面」など表示ある立派なものです。その隣は天保十二年(1841)「庚申」とだけ刻まれた塔です。江戸・明治・大正が特色をもって並んでいます。次の写真は左が大正元年の神道系猿田彦大神の庚申塔です。右端は享保二年(1717)青面金剛です。真中は寛政三年(1791)種子アーンクに「奉供養奥州三山大日如来成就・・」と刻んだ三山塔です。文言が珍しく貴重です。次も3基の三山塔ですが何れも山名のみ記されています。そして主尊が左は「羽黒山」、真中は「月山」、そして右は「湯殿山」と何れも異なっています。真中は月山中心で明治15年、右は天保十三年(1842)、左は見落としましたが多分江戸時代と思いますが偶然の珍発見でした。ついでに大正・戦前昭和・戦後昭和のトリオはこの写真で、左 昭和25年出羽三山塔、中 大正5年の古峰神社塔、右 昭和3年庚申塔です。他にもまだまだあるので実際にご覧になると新発見が出来るかもしれません。次に本殿の後ろにも散米されており石祠が祀られています。屋根付き中に6基の石祠とこの右側に6基ほどがあります。写真は左から年代?の水神様、寛政十年(1798)子安明神、明治7年日枝・大山神社、文政十一年(1828)諏訪大神、天保十四年(1843)牛頭天王社、明治28年足尾山神社です。私にとって珍しいものをあげておきます。牛頭天王は「京都八坂神社の祭神で、本地仏は薬師如来・形像は夜叉のように頭髪を逆立て頭に牛冠、左手に斧右手に索をとるが石像は極めて稀」と日本石仏事典にある。文字石祠もあまり見かけず珍しいものです。地面に置かれたものの中では弘化三年(1846)天照皇太神が珍しい。明治以前で石祠に見るのは数少ないのではないでしょうか。
この神社では色々貴重な資料を見たり比較が出来て大変勉強になるところです。
不出来な写真では本当の良さが分かりませんが、実物の素晴らしさを宣伝したくて本殿資料をオマケにつけちゃいます。
17-4.戸神宗像神社本殿
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